S×強気で恋になる
第56章 傷痕
ー藤間(トウマ)先生、骨異常ないですね
ー腱膜まで切れてるから、とりあえず縫合だ。形成外科の私が縫うのが適任だが、岡崎先生はどこに?
ー片瀬先生が落ち着かせてます。この方義理のおとうとらしいですよ。岡崎先生を庇ったみたいで
嘘だ。
昔から岡崎を見てきたが
弟なんて話聞いたことがない
恋人か?
癒し系ペットか?
どっちにしてもあいつが縫いたいって言うなら、俺が見てあいつが縫えばいい。
綺麗な顔だな
正直意識を失ったのが気になる・・・
頭切っただけなら、痛いーって泣きながら来る患者ばかりだ。
やっぱり、頭どっか出血してんのか?
いや、それはない
異常なかったし
そう考えていると、息切らした岡崎が入ってきた
「純平!!!!・・・・藤間・・。」
「岡崎。お前が縫うか?」
「いや、藤間がいるなら・・・。純平、すぐ終わるからな」
手術室のような処置室に入り
俺は純平の手を握っていた
すると、看護師が準備を始め
藤間が創を洗浄し、ステープラを出した
頭皮では、髪の毛も剃らず、麻酔もせず、ステープラというホッチキスのような縫合機を使うことが多いが基本は同じだった
純平
純平
純平
純平
心の中で呼び続けるが反応はなく
意識が戻らない純平を気にした藤間が
入院判断を下し
俺が個室にと金を払い
純平は部屋に運ばれた