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S×強気で恋になる

第56章 傷痕

「・・・・岡崎さん?」

床にへたっていた岡崎さんに声を掛ける


「っ、俺のこと・・・庇おうとして・・・俺、・・・純平の・・・頭から・・・血が・・・」

全然らしくなく、ただ動揺している岡崎さんを落ち着かせる

岡崎さんの目は赤く充血し
今にも泣き出しそうな顔をしていた

「大丈夫です。大丈夫だから、深呼吸してください。純平、頭切ったんなら縫うの岡崎さんです。しっかりしてください!岡崎先生。」

怒鳴ることなく動転している岡崎さんの心に入るように、優しく言う

そして、ビクッと体を震わす岡崎さんの
背中をさすりながら、俺は続けた

「さっき遠くでたまたま現場を見ていた看護師さんから聞きました。純平のとこ、はやく行ってあげてください。縫合できないなら、俺やるんで言ってください。」

「っ、・・・純平!!」

立ち上がったかと思いきや、処置室に走り出す

岡崎さんの背中はいつになく必死で
俺は気を取り戻した岡崎さんを見て
安心した





純平はきっと大丈夫だ・・・



そう思いながらチラッと床をみると
無数に血が飛んでいた

そしてその横には点滴台が倒れていて
脚の所に少し血がついていた


・・・こんなんを大人のしかも男性が振りかざしたら痛いだろ・・・!!!
怪我するに決まってる!!


岡崎さんに当たってても大変だったけど、
まさか純平に当たるとは・・・


ほんとに何考えてんだ、あの患者!!!


てゆーか・・・純平
腕とかでカバー出来ただろーに
頭からもろ殴られてるあたりが
純平っぽいな

ドジだし、素直だし


まあ、突然でそんな余裕なかったんだな


っ、心配・・・させんな・・・


ぐっと熱くなった胸を落ち着かせながら
一応障害事件として現場を抑えると言う為
警察官を呼んだ

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