S×強気で恋になる
第59章 なくしたもの
「は?止まった!!!俺がダンってしたから!?止まるって、ドラマか!!!」
「いや、お前が暴れたからじゃねーだろ。ここのマンション何機あるっけ?」
「エレベーターは4機あるけど、・・・」
「点検で止まったか、故障か、トラブルか・・・携帯圏外か。ほら、非常ベル押せ。外の人に開けてもらうぞ。」
カチッカチッっと長押しするがいっこうに繋がる気配もなく、エレベーターの中の電気も落ちてしまった
真っ暗・・・・
「そういえば、さっきあっちの方でカミナリゴロゴロしてたよな?・・・どこか落ちて、停電したな。普通予備の電気用意してんだろー・・・。お前んとこのマンション、外装も内装も豪華だけど、エレベーターはオンボロだったってことだな。おい、純平、俺の近くに座れ。目が慣れるまでお前見えねぇだろ。」
「っ、・・・・狭い・・・暗い・・・最悪だ。いつ動く?!なぁ、いつ動くんだよ!!」
「さぁな。停電の程度にもよるよな。大停電なら、しばらくは無理かもな。まあ、寝ようぜ。起きたら開いてるよ」
「和也なんでそんなに落ち着いてんだよ!!!っ。やだ、俺こんなとこで・・・ちょ、和也どこ?」
「怖がりだな。映画じゃないんだから、1日2日閉じ込められるなんてことは、ねぇよ。ほら、携帯で照らせばいいだろ。」
そう言ってパッと画面をつけると、明るくなり
和也と目があった
「まじで、今日和也誘ってよかったー。一人だったら、俺もうパニック。」
「だろーな。・・・寝ないんなら、話しでもするか。」
「・・・・・真一のこと・・教えて」
純平から出た言葉はあまりに意外で
俺は正直びっくりした
なんだ興味あんだ、真一に
「真ちゃんはねー、ムカつく弟だったよ。運動も勉強もなんでも1番出来ちゃうからね。腹立つよなー。あいつ、小学校のとき、夏休みの宿題してるとこなんか見ねーのに、いつのまにか終わってて、俺が必死にやってると、凡人は大変だな。とか言いやがる。な?最低だろ?」
そう言いながらも
どこか笑顔の和也にとても羨ましくなる
「うん。・・・他には?もっと、・・・もっと話して」
いいなー・・・兄弟多かったら楽しーだろーな