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S×強気で恋になる

第5章 天敵

帰り道寄り道したデパ地下で、見覚えある顔に立ち止まる。

あいつだ。なんで岡崎真一がここに。
うわ、目があった。
でも、、、逸らすかー!!!ってよくわからない勝負が俺の中で始まったときには、もう目の前にヤツはいた。

「こんにちは。横山さん。腕の具合はどうですか。左手とは仲良くやってますか?」
ニヤニヤと俺のストレスを見透かすように言われる。
「関係ないだろ。俺は腹が減ってるんだよ!さっさと買い物して帰るんだから、そこどけ。」
押しのけようとした左手をぐいっと掴まれる。

力強えーなっ、てか近い。

「インスタントラーメンや惣菜ばっかりだと、なかなか完治しませんよ。それとも横山さんは、そのギプスで自由が奪われた生活を楽しんでるのかな?」
「耳元で喋んな。俺だってちゃんとしたの食いたいけど、しょーがないだろ。離してください。」
そう言って、目をみると取り込まれそうなくらいのオーラに俺は包まれていた。フラフラする。
「骨折後の熱か。でも出勤したと。本当にお前可愛いな。」
そんなわけのわからないこと、と思いながら俺は疲労と熱で、もう岡崎の腕に引かれるままになっていた。

ーバン
ーブロロロロロ

いい車乗ってるじゃねーか
そんなことを言ったか言わなかった、くらいで
俺は揺られる車で眠ってしまった。

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