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S×強気で恋になる

第61章 俊哉×航平


ごめんなさい


何がごめんかわかんねーけど
とりあえず朝から機嫌わりぃ


誰って岡崎が


なんでかわかんねーけど

朝から俺のこと無視だ


「・・・岡崎、朝飯は?」
「・・・・・・・。はぁ?」


怖いって睨むなそんなに

貞操帯さえなければ
俺だってキレんのに
こんなんつけられてるから
機嫌とるしかねーんだよ!!


「今日俺が晩ご飯作ろうか?」
「・・・・・純平、遅刻するぞ。電車で行け。」
「え・・・うん。じゃあな。」

お見送りにもきてくれねーし
車で送ってもくれねーし

俺なんかしたかなぁ



体調悪かったとか?



もーわかんねーよ考えてること。



くわーっとあくびをしながら体をのばすと
前に大きな車が停まった


あ?


「横山・・・純平さんですね?」
「え・・・あぁ。え?誰ですか?」

大きな黒いスーツを着た男たちに囲まれる
降りてきた瞬間にわかった

一般人との違い


こいつら・・・ヤクザ?


人通りの少ない道で俺は後ずさりをしていた


「俊哉さんの借金を立て替える条件と引き換えに、弟さんはこちらで飼うことになりました。よって、今後桜田家の愛玩人として迎え入れます。では、車へ。」

「は?わけわかんねー!!俊哉は俺の・・兄貴でも家族でもねーよ!!」

俺の家族は



俺の家族は





真一と和也だ・・・・




俺の家族はあいつらだ




必死に抵抗して
路地を走る


「あ、待てこらぁ!!!」
「いい。追うな。どーせすぐ捕まえられる。」


俺は振り返らずに家に向かっていた

鞄も何もかも捨てて道を走ると
真っ赤な車が駐車場から道に出るのが見える



あ、真一!!!!
助け・・・



ブロロロヴォォンンンンーーー!!!!!





あ・・・・




待って・・・




俺はその場にへたり込みそうになりながらも
必死に走って



タクシーを拾い
ポケットにあった財布だけを握りしめた



捕まりたくねぇ



絶対にあんな生活に戻りたくねぇ







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