S×強気で恋になる
第61章 俊哉×航平
「お客さん、震えてるけど大丈夫?寒いですかね?」
「いえ・・・。」
会社はしばらく有休もらおう
とりあえず遠くに行かなきゃ
わかんねーけど
遠くに
あ、涙・・・・?
「純平は俺の弟だから、なんでも話せ」
「純平、家族だろ俺たち。俺のモノだろ」
幸せだったな・・・・・
俺にはもったいないくらい
幸せ過ぎたよな
もう俺だって逃げたい
俺だってこんな過去捨てたい
なんか気分悪い
「お客さん・・・本当に兵庫まで行くの?」
「あぁ。疲れたら適当に休憩したりしていいから。とりあえずなんでもいいから、走らせて遠くに。」
なんで会いに行きたくなったかは、わかんねぇ
ただ
俺を産んだ母親に
文句がいいたかった
怒りをぶつけたかった
なんで
あの時いっそ俺を殺してくれたらよかったのに
そしたらこんなに俺
悲しまなくですんだ
あんな幸せ味うことなくすんだ
こんなに人を好きにならなくてすんだ
頼ってばっかなのに
巻き込めねーよ
なんで今更、俊哉?
勘弁しろよ・・・・
「・・・・お客さん、次のサービスエリア停まりますね。」
携帯も岡崎がくれた指輪も
家の鍵も全部鞄の中だ
あー