S×強気で恋になる
第62章 旅行が教えてくれたこと
「・・・っ・・」
だる・・・
くそー・・・
昨日無茶苦茶しやがって・・
俺のためにいろんなことしてくれたから
それだけのことしてあげて
返してあげたいって思ってたけど
昨日はさすがに、俺限界だったな
そう思いながら、部屋を見渡すと
真一がゆったりと露天風呂に入っていた
あいつ
よかった・・・元気そうだ・・・
そう感じていると
真一が振り返り、俺のことを手招きする
「純平。起きた?・・・おいで」
「・・・・・もうちょい・・・寝る」
とてもじゃねーけど
起き上がれそーにねぇ
っーか気分悪ぃ・・・
「なんだよ。初めての旅行だろ?こいよ。」
っ、喜ばして・・あげなきゃ・・・
そう思ってるのに
体は怠くて、なかなか起き上がれない
何度か深呼吸して
フラフラしながらテラスに出る
外の風があたって
肌寒く感じた
「純平。こっち・・・日が沈むのそろそろ見えるから、一緒に見ような。」
「・・・・・・うん」
チャプっとお湯に足を入れると
今度はお湯が熱くて
気持ち悪くて気分が優れないことに
追い打ちをかけられる
でも真一は、俺が素直に横に来たのが
嬉しかったみたいで
少し微笑んでいた
「純平・・・兵庫県もいいとこだな」
「・・・・・うん」
「たくさんいい思い出増えただろ?悲しい思い出より、楽しい思い出を増やそうな?」
そこまでいうと、純平が目を閉じて俺の肩に寄りかかってくる
俺はそのとき
純平は俺の気持ちに喜んでる行為なのかと思っていた