狼男子の扱い方
第12章 狼が犬と化した行為
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翌日、
なかなか寝付けなかったあたしは
早朝に教室に入り、一人机に突っ伏した。
「あれ、美華?
珍しく早いじゃん」
聞きなれた声に顔をあげれば
朝練帰りの真紀だった。
「あー…なんか眠れなくて。
おつかれさーん」
ありがと、と一言返しながら
真紀はドサドサ音をたてて
荷物をほっぽる
男子か、
なんてツッコミをいれクスッと笑いが溢れた。
「いつものことじゃーんかー!
それより…昨日結局どうしたの?
連絡とかきた?」
膨れた顔を一変して、
時々みる真剣な顔
だけど、あたしが何かある時は
よくこういう顔をする。
真紀はあたしを自分以上に大切に思ってくれるから…
「…なんてのは後で聞けるときに
聞くから、とりあえず寝な」
べしっと頭を叩いて
真紀はニッと笑う。
真紀は、絶対深入りしてこないんだ。
だからこそ全部話さなきゃ、て思う。
自分の気持ちも、
涼ちゃんとのことも、
玲音とのことも───