狼男子の扱い方
第12章 狼が犬と化した行為
軽く睡眠をとったあたしは
ばらばらと登校してくるみんなの声によって目覚めた。
そうしてすぐに朝のHRチャイムが鳴る。
まだ寝起きのあたしはふあぁ…と
欠伸をしながら先生の話を
耳から耳へ流し聞きした。
「一時間目から移動教室だってさ!
まぁテスト近いしほぼ自習だと思うけどね」
寝起きのあたしを気遣ってか、
あたしの荷物を持って先に
教室の入口で立ち鍵をクルクルさせる真紀。
あたしは急いで机の中に入れた用具と
ケータイを手に持って真紀を追いかけた。
「んな焦んなくても」
なんてクスッと笑う真紀から
ありがと、と荷物を受け取った。
そうして一番最後に教室をでた
あたしたちは鍵を閉めて選択教室へ向かう。
「みー」
「!」
他クラスの前を通り過ぎたとき、
ふと後ろから名前を呼ばれ
振り返った。