狼男子の扱い方
第5章 あたしの頭上での行為
あたしはぐるりと
体を回して仰向けになる。
視界にはいるのは
ベッドの、板だけ。
「っきゃ……」
そんな悲鳴?と同時に
ギシッとベッドが揺れる
音がする。
まちがいなく、
玲音が女の子の腕を引いたんだ。
「れお……っ」
「声出すなよ」
「……んっ…は…あ……っ」
上から降ってくる甘い声と
ギシギシと音をたてるベッド
─玲音は
ナニしてるの?
「やぁ……っあっ
そこ…舐めちゃ……あんっ!」
ピチャピチャ
秘部を舐める玲音が頭に浮かぶ
─…………。
「んあっ……あああ……っ
あああんっ!!」
「声出すなっつっただろ」
「んふっんんっ……ふぁ」
──なんか
何だろう。
悲しさとかじゃなくて
玲音は
性欲を満たせればそれでいいのか。
そう思うと
呆れる。
音が激しくなってきたところで
あたしはベッド下から
這い出て
音をたてないように
ゆっくりと、机にのった鞄を持つ
くるっとベッドに向きを変える
こっちから見えるのは
近所の高校の制服を着た
女の子が
玲音に覆い被さって
キスしているところ。
──シーツぐしゃぐしゃじゃん。
派手にやってんなー。
あたしは開けっぱなしの
扉を素早く越えて
玲音の家を出た。