狼男子の扱い方
第6章 道端での再会
──なんで…………いるの?
「涼……ちゃん?」
心臓が
うるさいくらいに
ドクンドクン、鳴る
「うーわぁ!やっぱ みーじゃん!
久しぶりだな」
あたしだと認識した涼ちゃんは
早足であたしのそばにくる
シュッとしたシャープな顔に
真面目そうな黒髪、
爽やかな笑顔は変わらず
それは、
片山 涼(かたやま りょう)
だと語っていた…。
「みー…だいぶ髪のびたね」
あたしの髪に
触れようとする手に
あたしのからだが
敏感に反応する
「触らないで…っ!」
パシッと
涼ちゃんの手をはたく
「っ…あ」
涼ちゃんはなにも言わずに
自分の手を
悲しそうな顔でみていた。