狼男子の扱い方
第2章 部活終了時での行為
先週の月曜日のこと。
「っふぅ……」
ザパッと水から顔をだし、
ゴーグルをはずす。
午後8時、誰も残っていない
プールで居残り練を
自主的にするあたし。
……なかなかタイムが伸びないな。
そう眉を下げたとき
ガラララ───
突然、プール入り口の
扉がひらいた。
……だれ?
顔につく水気を払い、
少し目を細めて
入り口に立つ人をみつめる。
「───水谷、?」
なんの関連もなかったけど
問題児でよく怒られてるし、
なにより
髪の毛の色が真っ赤だから
すぐわかった。
あたしが水谷の名前をよぶと、
無言でこっちに近づく彼。
……威圧感、すごい。
堂々とした歩きで
水に浸かるあたしの
目の前にきて、
あたしを見下ろした。
……な、に?