狼男子の扱い方
第9章 昨日の行為
やっと帰ったか…と
深いため息をひとつしながら
ズボンのチャックをあげる。
─さて、と。
そろそろ説明すっかな。
「美華、もういいぞ」
下に潜っている美華に
そう呼びかける
が、
いっこうに返事が返ってこない。
「美華?」
…寝てんのか?
いや、そんなはず…ねぇだろ。
素早く俺はベッドの下を覗いた。
そこに
美華はいなかった。
「──は?」
ぐるりと辺りを見回して
美華を探すが
俺の机にのっているはずの
鞄の数が
ひとつ減っていた。
─あいつ……帰ったのか…?
いつ?
頭にカッと血が昇り、
俺は真っ先にスマホに手をつけ
美華の連絡先をスクロールし
発信した。