狼男子の扱い方
第9章 昨日の行為
6回目のコールがなり、
【只今電話に出ることができません
発信音のあとに──】
という美華ではない声が
耳にきこえた。
それからというもの、
何度も切っては掛け、
メールを送っても
いっこうに返事がこない。
「っんで出ねぇんだよ!!!」
時刻は夜9時をまわっていた。
俺はスマホをベッドに放り投げ
その上から、鞄を投げつける。
─なんで出ない?
どこにいる?
なに…してんだ?
そんなとき、
鞄の下で少しこもって
俺の気に入ってる着信が鳴った
瞬間的にからだが動き、
俺はロックをかけていない
スマホの通話ボタンを押した。