狼男子の扱い方
第11章 夜、正門での行為
その日
あたしは玲音を避け続けた。
「あの…美華ちゃん、
水谷が探してるみたいなんだけど」
そういってくる女の子もいたけど
涼ちゃんがことわってくれた。
「涼ちゃんごめん…」
「んー?俺の自己満だよ、こんなん」
そういって
涼ちゃんは笑顔であたしのあたまを
ぽんぽんと撫でる。
─ほんと、変わんないな…。
「オレ、その水谷ってやつ
見たことないんだけど…
問題児ってことは
顔もいかついの?」
真面目な顔で聞いてくる涼ちゃんに
少し笑ってしまう。
「なにそれ(笑 問題児=いかつい
っておかしいでしょ」
「いや、だって不良とか
ヤンキーとか…そういうのじゃ?」
「まあ、ねぇー…
髪の毛が赤くて
めつき悪いから怖く見えるんだよ」
あたしはもう慣れちゃったけど。
「…そっか」
そんなこんなで放課後
結局玲音はその日、
自分から会いにくることはなかった