狼男子の扱い方
第11章 夜、正門での行為
翌日
「みー」
昇降口であたしを呼ぶ声がして
顔をあげた。
そこには、笑顔で
あたしをみる涼ちゃんがいた。
「涼ちゃん!おはよ」
あたしは駆け足で
涼ちゃんの近くに行き
スリッパにはきかえる
「美華」
靴を入れようとしたとき、
真紀の声と同時に肩を叩かれる
「ん、真紀おはよ」
昨日の夜、真紀には
2年まえの涼ちゃんのことを話した
それと…昨日のこともすべて。
真紀が涼ちゃんのことを
どう思っているのかわからないけど
……良くは思ってないみたい。
案の定今睨んでるし、ね。
「美華っ早くいこ?」
「うん!」
─涼くーーん!
「ん?」
遠くからわらわらと
女の子が手を振っていた。
「…なにあれ」
「あー…涼ちゃん…またなの?」
あたしは涼ちゃんの顔を伺うと
相変わらずな苦笑いをして
手を振りかえしていた。
「あれ、涼ちゃんのファン」
あたしがそういうと
真紀は、はぁ?って感じの
形相をうかべた。
「涼ちゃん昔から
モテるんだよねー…」
だって
顔は完璧だわ
身長も高いわ
優しいわ
愛想いいわ…
あ、おまけに声。
「…あー」
真紀も涼ちゃんを
上からしたまでみると、
納得の声をあげる。
「みー、教室いこ」
「…うん」
あたしたちは
女子の大群をスルーして
駆け足で教室にむかった。