夏の秘密
第9章 好意
勇助「はぁはぁ…はぁ…」
夏「中には入れなかったみたいですね、
あの人達」
勇助「助かった…あっ、もう映画始まり
ますから座りましょう」
夏「…そうですね」
手を繋いだまま
横に並んで席に座った夏と勇助
手を繋いだままの事、しばらくすれば気
づくと思われたが勇助は
映画の間ずっと
夏の手を握ったままだった
勇助「映画、楽しかったですね」
夏「…はい」
勇助「楽しくなかったですか?」
夏「…あんまり集中出来なくて…その…
手がずっと…」
勇助「手?あっ!?ごめんなさい」
夏「…いえ」
夏に言われ初めて
手を繋いだままだった事に気づき
勇助は慌てて夏から手を離し何度も頭を
下げ謝った
勇助「本当にすいません」
夏「本当に本当にもういいから…」
勇助「…夏美さん」
夏「はい」
勇助「こんな事言うのあれなんですけど
夏美さんさえ良かったらまた今日みたい
に会ってもらえませんか…」
夏「それって…」
勇助「あっ別に変な意味とかじゃなくて
嫌なら嫌って言ってもらえれば…」
夏「嫌じゃないですよ」
勇助「ですよね…って…えっ!?」