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私のH

第10章 9人目

なおは近くにあったベンチに座り、買ってきた飲み物を開けていた。


手には、小さい頃に二人で挑戦して苦くてダメだったブラックのコーヒーが握られていた。


そのコーヒーが二人の間の時の長さを物語ってるみたいだった。

私は景色を見たままだった。

その景色は私が見た中で一番きれいに見えたから…。

コーヒーを飲み終わったなおが隣にきた。

カチッ…

と音と共に暗闇に火がついた…。

『ねぇ…。


彼氏いるの?』

なおはタバコを吸いながら景色を見ていた。

でもその顔はどこか真剣で私が知ってるなおじゃなかった。


『いないよ…。

なおは?』


『俺もいない。

付き合ってくんない?』

目は真剣なのに…口は笑っていた。


真剣に言っているのを分かっているのに…


私はなおにつられたふりをして…


『やーだー。

好きなひといるもーん。』


と笑って答えた。

なおはたばこを吸い終わるとその場に捨て、私を後ろから抱き締めた。

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