乾いた空
第3章 三章
「……んなさい…。」
良く聞こえないが、少女は炎を見つめながら、何か呟いていた。
後ろから見る彼女の背中は悲壮感に満ちていて、何かを懺悔しているようにも見えた。
懺悔……
僕は今まで、サキ以外の事にはしたことが無い。
ましてや父をこの手にかけた時も罪の意識とは程遠く、今までの煮え切らない自分を殺しては、背中に背負った重荷を落とした気分になり解放感に満ちていた。
まるで柄から出た烏丸の様な気分だった。
求められず、真っ黒な体を曝しては死臭を求めて飛び立つ気分だった。
あの頃の僕は……