乾いた空
第3章 三章
僕は今まで男性の命だけでは無く、"家庭""家族"
を奪っては破壊してしていたんだ……
その証拠と言わんばかり、因果応報でこの子は病気に……
僕は希望も無いのに肌身話さなかった通帳と印鑑を出した。
「何これ?!」
「い…いざという時の為だよ、ユ…ウキ……」
「い…嫌だっ!
お父さんっ!」
「ぼ……僕のさ…最初で最後の頼みを……き……い………て………」
太陽がうっすらと顔を見せては僕の身体が溶けるかのように眩しく感じた。
皆が待ち望んだ、希望に満ちた今日という日が始まる。
空の向こうからヘリの音が聞こえてくる。
薄れていく空気が何故だか気持ちがいい。