乾いた空
第4章 四章
生きて帰るのよ。
彼は?
!!
いない……
私は何とか車から出て辺りを見回した。
!!
彼は……
彼は外に弾き跳ばされては、意識が無く車の部品と見られる細長い棒状のものが脇腹に貫通していた。
血はあまり出てなかったが、少しずつ出ては大量出血するのは時間の問題だった。
この状態で脇腹に貫通した部品を取ると更に大量出血をしてしまうので、下手に取ることも出来ず、どうしたら良いか解らない……
回りを見ても人気は勿論、何も無い。
一面は全て木々が広がり、何処までも森しか見えない。
私はパニックになりそうになっていた。