乾いた空
第4章 四章
あの野犬が血を嗅ぎ付けてくるのは避けたい。
一先ず、火があれば獣は寄ってこない筈。
でもこの状態では、その前に凍死してしまう。
挫けてはいられない。転落してひっくり返った車内は沢山の物で散乱していた。何とかして姿勢を無理矢理崩しては、手でいろいろ掻き分けると訳の分からない物が出てくるが、中々これと言った物が見つからない。
車が何かの勢いで炎上するのも恐ろしい。
散々掻き分けて足元のところまで手を伸ばすと、何かコロコロとした筒状の物体がある。
!!
丁度、懐中電灯を見つけた。
電源をつけたら、見事に灯りがついた。
良かった!
何とか車のなかが見えるようになった。