乾いた空
第4章 四章
灯りをつけると、私が荒らしたのもあり、車内はまるで嵐や竜巻が去った後のように酷くなっていて、更に何処に何があるか分からない状態だった。
一先ず、運転席と煙草ホルダーのところを見ると、ライターと新聞があったので取り出しては車を出た。
そして割れを忘れて、その辺にある葉や枝をかき集めては新聞紙をあるだけ丸めて火をつけたら、風にかき消され直ぐに消えてしまう。
キャンプをしたことが無いのでどうしたらいいか分からないが、火が消されないように丸めた新聞紙を枝や葉の下に入れて燃やしたら、何とか焚き火が出来た。
火がついた途端、辺りは温かく、周りの景色がほんの少し明るくなった。
これで、
野犬も来ないし、
凍死からも免れる。
ホッとしたのも束の間で彼がきちんと息をしているかが心配だった。
彼の顔に耳を近付けるとあまり息をしている感じがしなかった。