テキストサイズ

乾いた空

第4章 四章





「優しくしてくれるんだね。」


と言う彼の言葉に驚いてしまった。

怪我人に優しくするのは当たり前だが、ましてや瀕死の重症を患っていると人間に看護をしているのであって、優しさと言うよりはまた違う気がする。

でもそれを"優しさ"と言う。

彼は一体どんな人生を歩んで来たのであろう?

これを外すとダムが決壊したように流れ出るであろう、だんだん傷口から血がにじみ出てきては、少しずつ流れてきたので、私は自分の服を破り、傷口に押さえつけるしかなかった。

私は車の中にあった膝掛けを出来るだけ強く巻き付けては火の近くで暖をとっていた。


静まり帰った森は私の精神を破壊しそうでどうにかなりそうだった。

宛のない救助を待つしかない。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ