乾いた空
第4章 四章
「もう、
あまり喋らないで、救助が来るまでゆっくりしましょう。」
私には血をなんとか、これ以上出ないように止めては、こんなことを言うことしか出来ない。
「……無理だよ。
僕は……もう……「駄目よ!そんな事言っちゃあ!」
彼が一番良く知っている。自分自身のことだから、私の言っていることなど気休めにもならない。
でも、でも言うしかない。
私の最後の希望。
叶わない希望。
目の前に一匹の冠鷲が優雅に飛んで来ては近くの岩に止まり、仲間に餌の在りかを告げるように鳴き声を上げる。
羽を揺らしながら、いやらしいポーズでこちらを見ている。
彼の死を待つかの様に………
死神のように……