テキストサイズ

乾いた空

第2章 二章




それ以降、
僕は賞状を頂いたら喜ぶフリをした。


まだどう思われているか分からないけど、ここではこの反応が完璧なんだと理解した。


感動的と思われる映画を見ては周りの人の表情を見ては泣いているフリをして、楽しいと思われる映画を見たら笑うフリをした。

笑うフリは口角を上げては目を少し細めるという訓練を鏡の前でいつも練習した。


なかでも、
怒ったフリが僕には一番難しかった。
どう怒ったらいいかタイミングが分からないので、スタートから躓いた。

気が付くと周りからは、温和で優しい人というキャラクターが出来ていた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ