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乾いた空

第2章 二章




真っ暗な世界から空を見ると、丸い月が人口のライトよりも柔らかい光を放ち、周りの星々もダイヤモンドのように光輝いていた。



「わぁ、凄い。」



本でしか見たことの無い光景に思わず息を飲んでは、体の中から弾むようなものが込み上げてきた。
これはまさに天然のプラネタリウムだった。

もう夏が終わりを告げるかのように林の奥から肉声で聞く鈴虫の声が聞こえてきた。

ビデオ等で聞くよりも鮮やかで透明感のある鳴き声だった。

その日を境にこの空間は僕だけの秘密の場所となった筈だった。



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