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乾いた空

第2章 二章




サキはまだ口癖のように自分のことを良く底辺の人間だと言うが、決して底辺の人間だとは思わない僕は時折、彼女に強く違うと言い聞かせていた。

彼女は元々父親しか居なく、小学生の頃に父親が病気になり、高校を入学してまもなく亡くなってしまい、それから父親の保険金と貯金を切り崩して1人で働きながら学校に通っている。

僕には、
そんな彼女が誇りに思えた。
こんなに忙しいのに時間をさいて会ってくれるサキが愛しく感じていたことに気が付いた。




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