乾いた空
第2章 二章
塾やセミナーへ行ったり行かなかったり、サボりがちな日々が続いては、たまにサキのアパートに行っては他愛も無話しをして、今までに無い日々を送っていた。そんな二ヶ月が過ぎた頃には、
「坊っちゃん、
今日はいかがなさいますか?」
運転手は僕の意見をお金で聞くようになっていた。
僕は今まで小遣いをあまり使うことの無く、随分貯まっていた分を少しずつ切り崩して運転手に口止め料として渡していた。
所詮、この家の人間はお金が全てだ。
ましてや雇われている人間なのだから。当たり前だ。
僕は父の言う"完璧な人間"から外れていた。