
月夜の下で…
第2章 ~ 告白と嫉妬 ~
その昼休み…
いつもの場所で楼と弁当を囲んでいて、朝と変わらずまだむくれていた。
「楼…今朝はごめんね
…その‥‥」
「わかってる
…悪いと思って断れな かったんだろ?
あいつ…みちるのそう いうとこ知ってて‥‥ やな奴っ」
「今度からちゃんと断る から
曖昧な態度はもうとら ない」
「じゃあっ
指切りの代わりにみち るからキスして!」
「え!?
こっここでっ!?」
こんな人前でっ…
「じょーだんじょーだん ちょっといじわるした くなって‥‥
…後で‥な!」
「ううん‥今させてっ
みんなに‥楼と付き合 ってるってわからせた いんだ」
「えっいや‥その…
わかった‥‥」
意外だったのか‥動揺しながら目を閉じる楼に、ゆっくりと顔を近づけた‥‥
ドキドキと高鳴る鼓動…
遠慮がちに唇が重なり、極度の緊張と恥ずかしさですぐに離れた。
その際‥楼の顔が真っ赤になっているのを見て、胸がキュンとなるのを感じた。
「そういえば
誕生日っていつ?」
「…5月1日だよ」
「もうすぐじゃん
オレん家で祝おうぜ! 」
「いいの?
すごく嬉しい」
満面の笑みを浮かべるみちるを見て、楼は照れくさそうにまた口を開いた―――
「最高の誕生日にするか ら楽しみにしてろよ」
「うん!
すっごく期待してるね !」
楼って‥年下だけど
いざっていう時はすご い頼りになるから
つい‥甘えちゃうんだ よね
…楼に出逢ってから毎 日が楽しいし‥幸せだ ‥‥
楼と仲良さげに喋るみちるの姿を、通りかかりざま目にしてしまった森崎の姿があった。
嫉妬に満ち、力いっぱい拳を握り締めながらその場を去って行った―――‥‥
