月夜の下で…
第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~
制服姿の楼が立ち尽くしていた。
「楼っ…あのっ‥ぼく‥ ‥」
「とりあえず‥入って… 」
「う‥うん‥‥」
玄関に足を踏み入れたその時、突然後ろから力強く抱き締められた。
「ごめん‥‥」
「楼…
…あのね―――…」
みちるは、昨夜の出来事を全て話した―――
「…話してくれてありが とう‥‥
みちるのこと‥疑って たわけじゃないんだけ ど…
愁さんといるの見たら …頭に血ィ上って‥‥ 」
「ぼく‥ちゃんと話せば わかってくれるって信 じてたから‥‥」
「みちる‥‥」
ギュッと腕に力が込められた‥‥
ドキドキと高鳴る鼓動と温もりを、互いに感じ合った――――……