月夜の下で…
第5章 ~ 略奪愛 ~
みちる‥‥
部屋の中心にある、大きなベッドに横たわっている愁の姿があった。
広々とした部屋には、特大サイズのベッドとクローゼットしかなく、カーテンすら無い。
あいつより‥力も見た 目も俺の方が上なのに …なんで‥俺を好きに ならないっ‥‥
あーーっ!
面白くねぇーーっ!!
こーなったら―――…
午後の授業が終わり…
二年A組の教室では、帰る用意をしているみちると、その横ではみちるを待つ楼の姿があった。
「さくら満開らしーから 見に行かない?」
「うんっ
早くするから待ってて ね」
もう桜咲いてるんだぁ ~
色んな意味でゴタゴタ してたから忘れてた…
「みちると初花見楽しみ だなぁ~♪」
ウキウキする楼を横目に、自然と笑みがこぼれた。
桜で有名な公園に行くと、満開になった桜の下ではすでにたくさんの人が花見を満喫していた。
「キレ~イっ!」
「今がちょーど見頃じゃ んっ」
楼といるからかな?
今まで見た桜よりも
すごくキレイに見える ‥‥
「みちる‥‥
キス‥していい…?」
「えっ…」
こんな人前でっ!?
さすがに恥ずかしいな ぁ‥‥
「…だめ…?」
まるで、お預けをくらった犬のように見つめる楼‥‥
それ‥反則っ…
そんな顔されたら
断れなくなっちゃうよ ‥‥
「す‥少しだけ…なら… 」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせるみちるに、楼の整った顔が近づき唇が重ねられた―――…
「ねぇ‥‥この後…オレ ん家行かない…?」
激しさを増す鼓動‥‥
頬を赤くさせながら物欲しそうに見つめられ、みちるも愛おしむように見つめ返した。
「‥‥うん」