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月夜の下で…

第5章 ~ 略奪愛 ~

 
 
 
門限ギリギリで、楼にお姫様だっこされながら送ってもらっているみちるの姿があった。
 
そしてひまわりに着くなり、恥ずかしそうに地面に足を下ろした。
 
 
 
「大丈夫か?
 なんなら部屋まで―― 」
 
「だっ大丈夫だからっ
 また明日ねっ」
 
「あ‥ああ
 …じゃあなっ」
 
 
 
軽く唇を重ねると、みちるを気にかけながら帰って行った。
 
その後ろ姿を見送った後、おぼつかない足取りで玄関の方へ歩いた。
 
 
 
「ずいぶん…激しかった みてぇだな
 足‥フラフラだろ」
 
 
 
突然背後から、聞き覚えのある声と言葉使いに驚いて振り向くと―――
 
 
 
「愁っ!
 なっなにしに‥‥」
 
「デートの誘いに来た
 ちなみに拒否権はねぇ 」
 
 
 
悪戯な笑みを浮かべ、軽々とみちるをお姫様だっこした。
 
 
 
「ちょっ‥離してっ!! 」
「聞こえねぇーー」
 
 
 
わざとらしくそう言うと、もの凄い速さで走り出した――――
 
 
 
 どこ連れて行かれちゃ うのぉーーーっ!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しばらくすると目的地に着いたのか、フワッと地面に降ろされた。
 
固く閉じていた目を開いてみると‥‥
 
 
 
「桜っ…!?」
 
 
 
ライトアップされた、巨大な桜が飛び込んできた。
 
 
 
「わぁーーっ!
 キレーーーイ!
 こんな桜…この辺にあ ったっけ!?」
 
「この辺じゃねぇけどな 夜のデートスポットで 有名でさっ」
 
「ふ~ん…」
 
 なんか‥神秘的という か…引き込まれそうな くらい
 すごいキレイ‥‥
 
 
 
桜に見とれていると、後ろからいきなり抱き締められ、首筋にキスされた。
その瞬間、胸が高鳴り体が熱くなるのを感じた。 
 
 
「ちょっ‥離してっ」
 
「やだっつったら?
 ってか‥周り見てみろ よ‥‥」
 
 
 
そう耳元で囁かれ、周りをよく見てみると‥‥
 
 
 
 
 

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