黒子のバスケ~裏試合~
第4章 黄瀬、今日…うちにこないか?
黒子はじっ、と俺を見つめた。
「……青峰くん。
黄瀬くんのかばん、
そんな嬉しそうに握りしめて…
変態ですか」
呆れた顔ではぁ、と
溜め息をつきながら
黒子はドアを閉め、ロッカーを開けた
「んなっ!?
変態じゃねえよ!!!
つか、おま…!!!
さっきの……」
「あぁ、すみません。
部室の階段昇ってるとき
少し…声がしました」
─………さいあくだ
「なんですかその顔…
そんなに黄瀬くんの声、
聞かれたくなかったんですか?」
「っは!?」
「どーせ、
『俺だけの黄瀬なのに…』
なんて馬鹿な嫉妬
してたんでしょう?」
やべぇ。
黒子が
まっ黒子になりやがった。
「……」
「ほんとわかりやすいですね。
青峰くんも、黄瀬くんも」
ふふっ、と笑いながら
黒子はシャツをぬぎ、
制服を羽織った。
「…黄瀬?」
「黄瀬くん今日、
すごく真っ赤な顔して
僕のところにきたんですよ
青峰くんが家に誘ってくる!
緊張する!けど行きたいっ!
って言ってたんです」
「…」
あいつ…
「黄瀬くんは
いつだって青峰くん一筋
なんですよ」
それだけ言うと
黒子はエナメルを肩にかけ、
ドアノブを握った。
「あ、そうだ。
今日の埋め合わせ、
青峰くんのせいでもあるんですから
今度バニラシェイク
奢ってくださいね?」
ニコリと怪しい微笑みをのこし、
黒子は出ていった。