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好きな人がいた

第6章 高校三年生

結果として、私は第一志望の公立大学に合格した。
そこは実家から車で三時間ほどかかる。
一人暮らしを始める他なかった。

卒業式の日。
そして離任式の日。
結局私と彼が会話することは一度もなかった。

私はなにも言えない弱い人間だった。
好きだと言うことも、さよならすら言えなかった。

春休み。
私は地元を去り一人暮らしを始めた。
それ以来彼とは一度も対面していないし、連絡を取っていない。

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