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好きな人がいた

第3章 中学三年生

中学三年生になった私は彼とクラスが離れた。
その頃はまだ彼をただの友達だと思っていたから問題はなかった。
もともと友達の子もほとんど私と同じクラスになったので、そっちと仲よくすることで手一杯になっていたのもある。

異変に気づいたのは6月のことだった。
彼は学校を休みがちになった。
一週間続けてこないこともざらだった。
メールをすれば普通に返ってくるのにおかしいな、と思いながらもそれ以上言えなかった。
聞くのが少し怖かった。

忘れもしない7月1日。
彼からメールが届いた。
『もうだれも信じられない』と。

彼は部活をやめていたためその仲間たちに悪い噂を流されていたらしい。
なぜ確定ではないのかといえば私自身はその噂を聞いたことがないからだ。
噂の類いは好きではないしそもそも耳に入ってくるほど交遊関係は広くない。

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