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第1章 words

これは俺を誘ってるんか?

無防備に寝転がる姿を見て欲情が沸いてくる。

しかし相手はきれいな森林の緑。ドロッとした血の塊のような深い赤色の俺が触れてしまえば確実に濁る。そんなことをしていいんか?

「ってふつうは考えるやんな。」

「えっ?」

ごめんな大倉。俺は染まりきってるから、濁らせることには快感を感じてしまうんや。

すっと立ち上がり、ハンガーにかかっているネクタイを持てば、ずかずかと歩み寄る。

いきなりのことにじりじりと俺から離れていく。

部屋の奥にまで追い詰めれば、細く長い体をまたいで顔をグッと近づけた。

「そんなに知りたいんなら、大倉くんはかわいいから、お兄ちゃんが教えたる。」

「…どうしたん!?なんか怖い…。」

「大丈夫。怖ない怖ない。」

両手の手首をグッとつかんでネクタイで縛る。急にされれば力が入らないためあっという間に準備完了。

「なんで縛るん?」

「抵抗されへんために決まってるやん。」

片手で腕を押さえて動きを封じてから噛みつくように口づける。

案の定、手足をばたつかせて抵抗する。

全体重を腕に乗せて固定してしまえばいくらドラムで鍛えた筋力をもってしても、こんな細い腕じゃどうしようもできない。

口を離せばふたりの間に糸が引かれ、プツリと切れた。

「僕…そんな趣味ない。」

「それは残念や。」

ないなら持たせればいい。

大倉の言葉など適当に流して空いてるもう片方の手で服を脱がせていく。

本気で危機感を感じたのか足で背中をガンガン蹴ってくる。

手元が少しずれるが構わず上の服を脱がせた。

「細いな…。」

「スタッフが来たらどうすんねん…」

「そんときはそんときや。」

「そんなんで済むわけっ!?」

うるさかったからまた口をふさいだ。ふさぎながら手早く下も脱がせる。

忘れてはいけないのは俺と大倉が着ているこの服はPVの衣装であること。

汚すと後々面倒なことになる。中途半端なところで止めずにすべてきっちり脱がして汚れないように少し離れたところに置いておく。

「あんま大きな声出したら用なくてもスタッフが来るやろ。大人ししとき。」

やさしくほほを撫でてやれば小さく舌打ちをして大人しくなった。案外ツンデレなのかもしれない。

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