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背徳の雨

第6章 甘い愛の裏側



銀のセミロングの髪。
白いパーカーに
深い青のジーンズをはいた、男性。

私の目はその男性に止まった。

「…」

スティックを振り
ドラムを叩く男性の後ろ姿を
じっと眺めながら
タバコを吸っていた。

男性は三曲叩き終わると
椅子から立ち上がり
不意に私の方を振り返った。

「?」

綺麗な顔…
中性的な顔立ちをした男性だった。

男性は不思議そうに私の顔を見ている。

「あっ…えっと…」

男性と目が合い、
私は驚いて目を逸らした。
だが

「キミ、俺の事知ってるの?」

予期せぬ質問だった。
私はきょとんとして

「え?知らないです…」

私がそう答えると
男性は安心したように肩を下ろし
私の前に座った。

「キミ、名前は?」

男性は私の目をじっと見る。

「音羽です…」

正直に答えると
男性はにこりと微笑み

「音羽ちゃんって言うんだ。
俺は和稀。」

和稀と名乗る彼は
ポケットからタバコを取り出す。

「あのさ、音羽ちゃん暇?」

和稀はタバコに火をつける。

暇と言えば暇だと答えると

「じゃあどこか行こうよ」

そう言って和稀は私の手を引き、
私はされるがままHIKARIを後にした。

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