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花火の秘密

第2章 りんご飴の秘密

「むっちゃ損したやんけ…。」

なにも知らない花火を見上げながら大きなため息を吐くひなを俺はただ見つめていた。

景品として用意した言葉が胸の中で花火のように爆発しそうだった。

ただこんな人混みの中で爆発させる勇気など俺にはなかった。

暗い夜空を明るく染めた花火も時が経つとあっという間に消えていき、人々は帰路へと足を進めていく。

俺たちは溺れそうになりながらも広場へと向かった。

広場には人はすでにほとんどおらず、中央では何故か大倉とすばるがにらみあっていた。

それを尻目にまるが俺たちを迎えに来た。

「遅いですよ。花火終わってしもうたやないですか!!」

「悪い悪い。はい、これ。」

「…りんご飴、くれるんですかー?渋やーん!!たつよーし!!りんご飴ー!!」

声に反応した二人の笑顔がやけに怖く感じたのは俺だけだろうか。

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