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花火の秘密

第2章 りんご飴の秘密


「ひーな。約束通り、3000円もらうで。」

手を出してくいくいっと指を曲げれば舌打ちをしながらも財布を出してくれた。

「…プレゼントってなんやったん?俺が喜ぶもんやろ?」

札と交換にりんご飴を一本、受け取りながら俺に問いかけるその目は、期待するように見上げていると感じた。

さっきからどうやら被害妄想が激しくなったみたいだ。

「倒せたら渡すって約束やろ?だから、プレゼントは俺がもろうときますー。」

「…なんやねんな。教えてくれたってええやろ。ほんま今日損ばっかりやわ。」

ひなの口から滝のように流れ出る悪態を振り払うようにりんご飴をかじった。

俺がお前を支えるから、俺のそばにおってください。

頼られやすいひなに渡したかったプレゼントは甘酸っぱいりんご飴と共に腹のなかに納めた。

俺と、りんご飴の秘密。

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