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花火の秘密

第3章 すばるくんとの秘密

「人減ってきたし、目立つところ行こうや?」

すばるくんの小さな一声で俺らはさっきまでの賑わっていた中央のステージ付近で待つことにした。

いつも通りと言っても直後に完璧に戻るわけもなく、重たい空気がしばらくの沈黙をもたらした。

俺はどうにかしようとは考えずにすばるくんの隣に来た。

迫力のないすばるくんのそばにいるのはなんだか気持ちが落ち着かない。

「すばるくん。…好きな気持ちは俺のほうが上やからな。うじうじしてたら俺がとんで?」

まるちゃんには聞こえないようにこそっと耳打ちした。

無理矢理にっと笑って見せればようやく先程の怖い目が戻ってきた。やっぱりすばるくんはそうでないと面白くない。

すばるくんが戻るなら今の俺はいくらでも嘘がつける。どんなに心の痛い嘘だって笑って言える。

「そんなん、させへん。まるは俺のや。」

すばるくんの笑顔はまるで俺を鏡に撮したように同じ顔をしていた。

「…りんご飴、くれるんですかー?渋やーん!! たつよーし!!りんご飴ー!!」

ふとまるちゃんの声に横山くんと村上くんが戻ってきたことを知った。

二人で返事を返してから俺はすばるくんをにらんだ。

すばるくんも負けじと下から力強く睨んでくる。

これでええねん。

俺と、すばるくんの秘密。

まるちゃんから受け取ったリンゴ飴を口の中に入れれば、新たな時間の流れを感じたように思った。

今までにない爽快な気分の中で。
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