テキストサイズ

花火の秘密

第2章 りんご飴の秘密

「あの二人も帰ってきましたよ。」

遠くに見える小さな影が寄り添ってこちらへ向かってくる。

もう回りには誰もいない広場で二人を迎えた。

「はい。二人の分のリンゴ飴。」

「え?なんで?」

「ひなが往生際が悪くて、七戦、六敗。」

「七回もしたん!?」

「そう。で、俺以外のリンゴ飴はひなのおごり 。」

見てみればつまらなさそうな顔をしてりんご飴をかじるひなの姿をヤスは苦笑いして見ていた。

きっといつかすべてを言える日を、俺は未来に期待している。

小さくなっているあの肩を堂々と胸に抱き寄せる日を。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ