花火の秘密
第3章 すばるくんとの秘密
人混みは苦手だ。
しかし今その人混みに自ら突っ込んでいこうとしている。
それも暑苦しい夏のこの時期に。
亮ちゃんの誘いであまり行かない夏祭りに足を進めたのだが、その人の多さに愕然とした。
集合場所はすぐ近くのはずなのだがどこに誰がいるのかまるでわからない。
もしかしたらまだいないかもしれない。
「ちょ、すいません!!」
連なるちょうちんを頼りになるべく人にぶつからないように歩いていくとふと聞き覚えのある声がしたように思った。
人の中央、よく見ると小さく窪んでいる。
その延長線上には三人の人影がうっすらと映っている。
「……まるちゃん。」
その中の一人の姿をようやくのことでとらえた。
ただその姿はこちらには気づかず三人で話している。
俺は窪みの中心にいる人物の横を通りすぎようと人のなかに入っていった。
「まるー!!ひなー!!よこー!!ちょっ…どいてっ!!」
一段と大きくなった声に俺は足を止めた。
そしてその声の方を向く。
声をあげた小さいおっさんはどうやらまるちゃんしか見えていないらしく、すぐとなりにいる俺はただの通行人にしか思われていないようだ。
少し尺に触ったのでそのままほっておこうかと一歩を踏み出した。
しかし前を向くとまるちゃんの柔らかい目線がふわりと当る。
これで無視したらきっと…。
しかし今その人混みに自ら突っ込んでいこうとしている。
それも暑苦しい夏のこの時期に。
亮ちゃんの誘いであまり行かない夏祭りに足を進めたのだが、その人の多さに愕然とした。
集合場所はすぐ近くのはずなのだがどこに誰がいるのかまるでわからない。
もしかしたらまだいないかもしれない。
「ちょ、すいません!!」
連なるちょうちんを頼りになるべく人にぶつからないように歩いていくとふと聞き覚えのある声がしたように思った。
人の中央、よく見ると小さく窪んでいる。
その延長線上には三人の人影がうっすらと映っている。
「……まるちゃん。」
その中の一人の姿をようやくのことでとらえた。
ただその姿はこちらには気づかず三人で話している。
俺は窪みの中心にいる人物の横を通りすぎようと人のなかに入っていった。
「まるー!!ひなー!!よこー!!ちょっ…どいてっ!!」
一段と大きくなった声に俺は足を止めた。
そしてその声の方を向く。
声をあげた小さいおっさんはどうやらまるちゃんしか見えていないらしく、すぐとなりにいる俺はただの通行人にしか思われていないようだ。
少し尺に触ったのでそのままほっておこうかと一歩を踏み出した。
しかし前を向くとまるちゃんの柔らかい目線がふわりと当る。
これで無視したらきっと…。