テキストサイズ

迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有

第10章 塚本

マシロは
俺につかまれてない方の手で
蛇口をひねって水を止め


また

俺を見つめた




「されたかったんですか?」





はぁ?!





「してませんよ

キスなんて


ユウヤさんが
されたかったから
そんなこと
言ってるんじゃないんですか?」





「お前っ」





「されたかったなら


だったら



だったら
こんなとこに居ないで


神島さんの部屋に
行けばいいじゃないですかっ」





マシロは

声を荒げた





「どうして




どうして

ココにいるんですか




どうして

あたしが
神島さんのこと
好きみたいなことばかり
言うんですか



あたし


あたし
そんなこと


言ってない・・」





マシロ・・?


どうしたんだよ



マシロが





クールなマシロの顔が



ゆがんだ






「言ってないのに



好きなんて
言ってないのに




ちゃんと



ちゃんと
鍵を






鍵を・・・っ・・」







マシロ・・・







マシロの

黒く大きな瞳から




大粒の涙が



頬をつたった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ