迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有
第12章 現実
ドンっ
という鈍い音は
マシロが
倒れた音だった
俺は
すぐにマシロに駆け寄り
倒れているマシロに
声をかけた
「マシロ、大丈夫か?!
頭、打ってねーか?」
幸い
マシロの意識は
はっきりしていて
頭は打っていないらしい
貧血で
倒れたと思うと
チカラのない声を出した
視線がはっきりしない
マシロを
すぐに抱き上げると
あまりの軽さに
驚いた
「すみません
もう・・・平気なので・・」
平気なわけが
なかった
平気だという言葉を
無視して
マシロを
俺のリクライニングソファまで
運び
ゆっくりと
まるで
産まれたばかりの
赤ちゃんを
寝かせるかのように
そっと
マシロを
ソファに
横たわらせた