切ない関係
第12章 時計。
「これ……キレイだな!」
雅紀の手の平には、小さな貝殻が二つ。
それは、今までに見た事が無いほど綺麗で…一瞬で心を奪われた。
「丁度二つあるから、一つ潤にやるよ」
「いいの?ありがとぉ!一生大事にするね!」
「…………」
黙っている雅紀。
「どうしたの?」
「いいこと思いついた!」
そう大きな声を上げると、砂浜で何かを探し出した。
「ねぇ、どうしたの?」
「えーっと………あった、ほら」
雅紀が見せてくれたのは砂浜に落ちていたガラスだった。
「ねぇ、危ないよ……」
「大丈夫だよ。それより、貝殻に名前書こうぜ!」
「名前?」
「そっ、自分の名前を書いて僕達が大きくなった時、また潤と会えるか試すんだ。」