切ない関係
第12章 時計。
そんなの、無理だと思ってた。
「え……でもさ、会えないかもしれないよ?」
「うーん…そうかな?僕は、ぜっっったい会えると思うけどな!」
自信満々に言う雅紀に、段々将来会えるような気がして来た。
「……うん!じゃあ、絶対会えるようにお願いして…日付と、名前書こうよ」
「そうだな!」
ガラスをかわりばんこに使って、貝殻に名前を彫った。
「絶対無くすなよ?」
「雅紀こそ!」
そう言って、二人で笑い合った。
その後、俺は両親と会えて無事に家に帰る事が出来た。
雅紀と別れる時、俺が見えなくなるまで手を振ってくれた事を今でも覚えている。