切ない関係
第12章 時計。
ふと、時計に目をやると……
「………うわ、やば!」
つい昔の事を思い出してたら、時間はあっという間に過ぎていた。
「そろそろ行かないと……」
静かに寝室から出て行こうとすると……
「ん……じゅ…ん」
雅紀が寝言で「潤」って呼んだ。
あの出来事から少したった頃、世間では「松潤」で浸透していったから雅紀もそう呼ぶようになっていた。
雅紀も、夢の中で見てるのかな…なんて
寝顔を見ていたら、なんだか愛おしくなって……
チュッと触れるだけのキスをした。
「行ってきます」
鞄と上着を持って部屋を出た。