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切ない関係

第7章 溺愛。

翔side


最近、雅紀の帰りが遅い。



それも、お酒の匂いをさせて。



気になるけど…仕事の付き合いだってあるだろうし。



おれの感情で雅紀の邪魔なんてしたくない。



でも…本当は超心配。ただえさえあんなに笑顔が可愛くて、皆から好かれる雅紀なんだ。



心配だから、一回だけ聞いた事がある。



「最近さ、帰り遅いね?」



「うん…飲みに誘ってくれる人がいてね。」



「そう、なんだ…。」



何も言い返せない。


心の中で嫉妬と遠慮が葛藤する。



モヤモヤする気持ちを洗い流そうと風呂に入り髪も乾かさずに雅紀が居ないベッドに潜り込んだ。


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次の日、仕事の帰りに一人で飲みたい気分になり、よく行く居酒屋に立ち寄った。



お店に入り、定員に案内されて席に行く途中、雅紀の声がしたと思い席を見ると……



相手が雅紀の顔に手を添えて、それに顔を赤く染めている雅紀がいた。



「相葉くん……?」


声を掛けるとそこにはビックリした顔の雅紀がこっちを見ていた。



「翔ちゃん…どしたの?」



カッと、頭に血が上り雅紀の方に歩いていく。



雅紀の言葉を無視して手を掴み、鞄を持って相手に礼をし、店を出た。



「ちょっ、待って…翔ちゃん!手、痛いよっ」


「乗って、」



タクシーを捕まえて、無理やり乗せ、自分の部屋に向かった。

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