切ない関係
第10章 歪んだ俺。
一旦、着替える為に自宅に向かった。
その間ずっと考えてた。俺に何が足りないのか、こんなにも想っているのに。
今からする事は、雅紀とニノを傷つける事。
胸が張り裂けそうでどうにかなってしまいそう。
あっという間に自宅につき、ソファーに座った。
落ち着くと一気に湧く罪悪感。
俺は、震えてる手で雅紀に電話をした。
「「はい、もしもし」」
「あのさ突然で悪いんだけど、夜空いてる?」
「「うん、大丈夫だよ?」」
「じゃあさ、俺の家で飲もうよ。」
「「翔ちゃんの家で?」」
「うん…じゃあ、八時に待ってるから。」
「「ちょっと待って」」の声に返事をせず、一方的に電話を切った。
これでいいんだと言い聞かせてニノに電話する。
「「プルルルル…プルルルル…プチッ」」
二回目のコールで出た。
「「もしもし、翔さん?ごめん、きずかなくて。」」
「今日の待ち合わせで電話したんだ。夜の八時半は?」
「「うん、場所は決めた?」」
「一応、俺の部屋にしようかなって。」
「翔さん部屋?珍しいね。じゃあ…八時半に。」
「うん…。じゃあね」
電話を切っても、手の震えは止まらない。
いつも思う。
好きになんかならなきゃ良かった……。